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先端レーザー科学教育研究コンソーシアム設立

山内 薫    

レーザーやフォトニクスという言葉に代表されるように、光に関すること、そして、光を用いて物質を調べるという光科学分野の研究と技術開発の成果は、今や、密接に我々の生活に結びついています。日本では、基礎科学から産業分野に至るまで、光科学分野の研究者層は厚く世界をリードしています。この潮流の中で、我が国がこれまで培ってきた実績を活かし、先端光科学分野において国際的に活躍することのできる次世代を担う人材の育成に組織的に取り組むために、文部科学省特別教育研究経費(教育改革)事業「先端レーザー科学教育研究コンソーシアム」が平成19年度4月に発足いたしました。

このコンソーシアムは、大学院理学系研究科附属「超高速強光子場科学研究センター」が中心となり、大学院工学系研究科附属「量子相エレクトロニクス研究センター」、「総合研究機構レーザーアライアンス」と協力して、東京大学の「理工連携事業」として推進するもので、従来分散して行われてきた学部および大学院教育の講義について、フロンティア研究と密接に連携させつつ、カリキュラムの系統的再構築を行います。このコンソーシアムの特徴は、東京大学だけでなく、光科学分野の教育に実績のある電気通信大学や慶応義塾大学をはじめとする大学、研究機関、そして、先端光科学産業を支える企業が協力し、人材教育のための協力体制を構築することにあります。

本教育研究コンソーシアムでは、本年10月より、パイロットプログラムとして、東大、電通大、慶応大の主に修士課程の大学院学生を対象として先端光科学の講義および実験・実習を、理学系研究科化学専攻「講義室」および「先端レーザー科学教育研究コンソーシアム実験室」において行います。平成20年度より、単位互換制度のもと、大学院講義「先端光科学講義」、「先端光科学実験」を開講いたします。キヤノン、アイシン精機、浜松ホトニクス、三菱電機をはじめとする9社の企業が、実験・実習に参加することになり、先端光関連企業の研究開発の現場研究者から、イノベーションテーマや、先端レーザー科学により解決されるべき課題等について直接に問題提起を受け、次世代をになう若手人材育成に取り組みます。

2007年4月24日(火)には、小柴ホールにて記者発表が行われ、引き続き発足の式典と講演会が行われました。式典では、岡村定矩理事・副学長、山本正幸理学系研究科長、松本洋一郎工学系研究科長、益田隆司電気通信大学学長から来賓の挨拶があり、その後の講演会では活発な質疑応答があり、翌日以降、新聞各社紙面にて、本コンソーシアムの取り組みが相次いで紹介されました。

(平成19年6月18日)